試験の種類と利用法


土質試験は土を定量的に判断するための、統一的測定方法です。
土質試験の測定値を利用して、工事の安全で経済的な設計施工法を見出すことができます。

以下に弊社で実施可能な土質試験項目と利用法などについて列挙します。

なお、下表においてハイパーリンクによる説明のあるものについては、
試料郵送による試験業務を受託いたします。
詳しくは、
業務受託をご覧下さい。

土質試験名 提供される結果 主な利用法 試料の状態

◎乱さない

□乱した

摘要

1.土粒子の

密度試験

JSF T 111-1990

密度ρs

物質の判断

他の試験値の計算

土質調査では1〜6の試験を「物理試験」と称する。

物理試験相互の値から、飽和度間げき比、乾燥密度等を算定でき土を総合的に判定することができる。

2.土の含水比試験

JSF T 121-1990

含水比ω

土の状態判断

他の試験値の計算

3.土の粒度試験

(ふるい分析、

沈降分析)

JSF T 131-1990

粒度分布曲線

一定粒径に対す

る質量百分率

粒度分布の良否

透水性の推定

土の分類

材料としての判定

4.土の細粒分

含有率試験

JSF T 135-1990

細粒分含有率

P

土の分類

細粒分の影響
を検討する際
のパラメーター

5.土の液性限界

塑性限界試験

JSF T 141-1990

液性限界ωL

塑性限界ωP

土の分類

土の安定性判定

材料としての判定

変形、塑性の判定

6.土の

収縮定数試験

 JSF T 145-1990

収縮限界ωs

塑性指数

液性指数

7.土の

湿潤密度試験

JSF T 191-1990

単位体積重量

ρt

土被り圧

土の分類

□◎

 

8.土のpH試験

JSF T 211-1990

土のpH

コンクリートの劣化

鋼材の腐食

 

9.土の

強熱減量試験

JSF T 221-1990

有機物含有量

i

土の性質判定

土の処理方法の判定

 

10.土の有機物

含有量試験

(重クロム酸法)

JSF T 231-1990

有機物含有量

I

(高有機物以外の土)

土の性質判定

土の処理方法
の判定

   

11.遠心含水当量

JIS A1207

遠心含水当量

ωc

凍土性の判定

排水性の判定

 

12.突固めによる

土の締め固め試験

JSF T 711-1990

最適含水比 ωopt

最大乾燥密度ρdmax

含水比〜密度曲線

盛土等の施工規定

土を転圧した場合どのような状態になるか即ち道路、鉄道、堤防、宅地等に盛土するときの施工機種別、転圧回数を決定したり、舗装厚を決定したりする場合は必ず実施したい試験である。

13.CBR試験

JSF T 721-1990

CBR値

地盤の支持力比

舗装厚の決定

施工の管理

□◎

CBR試験は乱さない場合(切取部)と乱した状態(盛土)で試験を実施するが現地の状況で何れかにする。

14.土の透水試験

JSF T 311-1990

透水係数 k

透水性

透水量の算定

□◎

アースダム基礎、堤防材料については是非実施する方が望ましい。

15.土の圧密試験

JSF T 411-1990

圧密係数 Cv

圧縮指数 Cc

圧密降伏応力 Pc

体積圧縮係数 Mv

沈下量の計算

沈下に要する

時間の計算

15〜1を通常「力学試験」と称し工学的検討の際には重要な要素となる数値を提供する。

このうち15〜18の試験を「せん断試験と呼んでいるが目的によって使い分けることが必要であり、調査の目的によって専門技術者の判断を要する。

力学試験の結果から地盤の支持力や沈下特性が計算され、斜面の安定性の検討や、地盤改良の必要性と方法、基礎形式の決定と基礎の支持力等が算定される。

尚試験条件として3種類あるがその適用については専門書を参照されたい。(地盤工学会編「土質試験の方法と解説」)

16.土の

一軸圧縮試験

JSF T 511-1990

一軸圧縮強さ u

地盤の支持力

17.土の

三軸圧縮試験

JSF T 520-1990

JSF T521-1990(UU

JSF T522-1990 (CU)

JSF T523-1990 (CU)

JSF T524-1990 (CD)

粘着力 C

せん断抵抗角φ

地盤の支持力

摩擦力の算定

18.一面せん断試験

粘着力C

せん断抵抗角φ

地盤の支持力

摩擦力の算定

19.振動三軸試験

せん断応力比

σd/2σ

液状化の判定